
AIサーバーの冷却市場を見るとき、コールドプレートやCDUだけを追っても全体像はつかめません。
GPUで発生した熱は、TIM、ヒートシンクまたはコールドプレート、冷却液、ホース、マニフォールド、CDU、施設側冷却設備という複数の部品・設備を通って最終的にデータセンター外へ移動します。
さらに重要なのは、AIサーバーの世代が進むにつれて液冷する範囲自体が変わっていることです。
そのため今後の需要を見る場合は、「液冷市場が伸びるか」だけではなく、「どの部品まで液冷対象になるのか」を確認する必要があります。
この記事ではAIサーバーの放熱・冷却部品をGPUから施設までの熱経路に沿って整理し、どの部品・材料・製造工程に需要が波及する可能性があるのかを見ていきます。
AIサーバーの放熱・冷却部品を最初に一覧で整理
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AIサーバーの冷却部品は、大きく「熱を受け取る」「熱を運ぶ」「熱を分配する」「熱を別の系統へ渡す」という4つの役割に分けると理解しやすくなります。
| 階層 | 主な部品 | 役割 | 高密度AIサーバーでの見方 |
|---|---|---|---|
| チップ界面 | TIM | GPU・CPUから冷却部品へ熱を渡す | 高性能化・高信頼性化 |
| チップ周辺 | ヒートシンク | 熱を空気へ放出 | 液冷対象では減少しやすい |
| チップ周辺 | コールドプレート | 熱を冷却液へ渡す | 増加が見込まれる |
| サーバー内部 | ホース・チューブ | 冷却液を運ぶ | 液冷化で追加 |
| サーバー内部 | QD | 配管を短時間で着脱する | 液冷化で重要度上昇 |
| サーバー内部 | シール・Oリング | 冷却液の漏れを防ぐ | 接続点増加に伴い重要 |
| ラック | マニフォールド | 複数サーバーへ液を分配 | 液冷ラックで必要 |
| ラック・列 | CDU | 温度・流量・圧力を管理 | 高密度化で能力拡大 |
| CDU内部 | ポンプ | 冷却液を循環 | 流量・冗長性要求 |
| CDU内部 | 熱交換器 | IT側から施設側へ熱を移す | CDU能力向上に連動 |
| CDU内部 | フィルター | 異物を除去 | 微細流路保護で重要 |
| 冷却ループ | センサー | 温度・圧力・流量などを監視 | 監視点増加 |
| ラック周辺 | 漏液検知 | 液漏れを検出 | 液冷化で追加 |
| 冷却ループ | 冷却液 | 熱を輸送 | 材料適合性が重要 |
| 施設 | 配管・バルブ | 冷却設備へ熱を運ぶ | 液冷設備増設に連動 |
| 施設 | チラー・ドライクーラー等 | 最終的に熱を外部へ放出 | データセンター設計次第 |
ここで注意したいのは、「液冷化するとすべての空冷部品がなくなる」という意味ではないことです。
当面は空冷と液冷が併用される構成も多く、冷却対象となる部品によって需要の方向が変わります。
なぜAIサーバーでは冷却部品が重要になっているのか
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理由は、サーバーラックへ搭載される計算能力と電力密度が大きくなっているためです。
NVIDIAが公開しているGB300 NVL72のリファレンスアーキテクチャでは、1ラックに72基のBlackwell Ultra GPUと36基のGrace CPUを搭載し、フルラックで最大142kWを必要とする構成が示されています。
これだけの電力を高密度なラック内で使用すれば、投入した電力の大部分を最終的に熱として取り除く必要があります。
問題は単に「高性能な冷却機を設置する」ことではありません。
GPUから施設外まで熱を運ぶ経路全体の性能が必要になります。
つまり、
AI演算能力向上
↓
半導体・ラック電力密度上昇
↓
放熱量増加
↓
熱を空気だけで運ぶ難易度上昇
↓
Direct-to-Chip液冷などを採用
↓
コールドプレート・QD・ホース・マニフォールド・CDUが必要
↓
ポンプ・熱交換器・センサー・フィルター・シールへ需要波及
という流れです。
AIサーバー市場を見る場合、GPUの出荷台数だけを見るより「熱をどう処理する設計になっているか」を追う方が、冷却部品メーカーには実務的です。
AIサーバーの熱はGPUからどこへ流れるのか
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空冷とDirect-to-Chip液冷では、熱の移動経路が違います。
空冷の場合
概念的には、
GPU・CPU
↓
TIM
↓
ヒートシンク
↓
空気
↓
サーバーファン
↓
データセンター空調
↓
施設外
となります。
ヒートシンクが熱を空気へ渡し、ファンが暖まった空気を移動させます。
Direct-to-Chip液冷の場合
概念的には、
GPU・CPU
↓
TIM
↓
コールドプレート
↓
冷却液
↓
ホース・QD
↓
マニフォールド
↓
CDU
↓
施設側冷却水
↓
チラー・ドライクーラー等
↓
施設外
となります。
つまり液冷で大きく変わるのは、熱を運ぶ媒体です。
空気で運んでいた熱の一部を液体へ移します。
これによって冷却市場は、従来の空力設計中心から、
流体制御
接液材料
ポンプ
バルブ
配管
シール
ろ過
水質管理
漏液検知
という別の産業領域へ広がります。
TIMは液冷になっても残る
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液冷になればTIMが不要になると考えがちですが、Direct-to-Chip液冷でも熱源とコールドプレートの間には熱界面があります。
GPUやCPUとコールドプレートを単純に金属同士で接触させても、表面には微細な凹凸や空隙があります。
TIMはその隙間を埋め、界面の熱抵抗を小さくするために使われます。
したがって、
空冷では
半導体
↓
TIM
↓
ヒートシンク
液冷では
半導体
↓
TIM
↓
コールドプレート
という形になります。
重要なのはTIMの有無ではなく、要求性能です。
大型パッケージ化、高発熱化、反り、熱サイクル、圧縮力、Bond Line Thickness、絶縁性、長期信頼性などによって材料選定が変わります。
日本企業でもAI・高性能半導体を意識した動きが確認できます。
レゾナックは2024年、高性能半導体向けNCFとTIMの生産能力を従来の3.5~5倍へ拡大するため150億円を投資すると発表しています。
ナミックスもデータセンター/サーバー向け高性能半導体パッケージなどを用途として、同社測定条件で硬化後70W/mKの高熱伝導TIMを公開しています。
ただし、メーカーによって測定方法や実装条件が異なるため、W/mKだけを横並びで比較するのは避けた方がよいでしょう。
ヒートシンクとファンはなくなるのか
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鉛フリーはんだ市場2027-2030
高性能AIサーバーの液冷化が進んでも、ヒートシンクやファンが直ちにゼロになるとは考えない方が安全です。
NVIDIAのGB200・GB300系ラックでは、CPUとGPUを液冷する一方、ネットワークやストレージなど一部の機器には空冷が使用されています。
そのため、液冷GPUの大型ヒートシンク需要が縮小しても、
NIC
SSD
電源回路
メモリ周辺
スイッチ
その他補助電子部品
などに空冷部品が残る場合があります。
一方、NVIDIAのVera Rubin NVL72の資料では、CPU・GPUだけでなくネットワークやストレージ関連部品までコールドプレートで冷却する構成が示されています。
ここは非常に重要です。
今後の冷却部品需要は、
液冷サーバーの台数
だけではなく、
1台のサーバーの中で何個の部品が液冷対象になるのか
によっても変わる可能性があります。
ヒートシンクメーカーにとっても、「液冷で市場がなくなる」とだけ考える必要はありません。
ヒートシンクで使ってきた、
アルミ・銅加工
熱設計
接合
表面処理
性能評価
などの技術を、コールドプレートや熱交換部品へ応用できる可能性があります。
液冷化で新しく重要になる部品
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コールドプレート
Direct-to-Chip液冷の中心部品です。
GPUやCPUなど高発熱部品へ直接取り付け、内部を流れる冷却液へ熱を渡します。
単なる金属板ではありません。
重要になるのは、
熱抵抗
流路設計
流量
圧力損失
平面度
耐圧
腐食
接液材料
内部清浄度
リーク
などです。
OCPでもコールドプレート、冷却ループ、冷却液、QD、漏液対策などを含めた要求仕様の整備が進められています。
そのためコールドプレート市場が拡大すると、銅・アルミ材料だけでなく、精密加工、接合、洗浄、表面処理、耐圧試験、リーク検査などにも需要が波及します。
マニフォールド
CDUから送られてきた冷却液を複数のサーバーへ分配し、温まった冷却液を回収する部品です。
ラック内へ液冷サーバーが増えるほど、冷却液の分配設計が重要になります。
単純に穴を分岐させればよいわけではありません。
各サーバーへ必要な流量を供給するため、
流量バランス
圧力損失
配管径
バルブ
接続位置
耐圧
清浄度
などを見る必要があります。
QD
QDはQuick Disconnectの略です。
サーバーを保守・交換するとき、冷却配管を短時間で着脱するために使います。
液冷サーバーを交換するたびに配管を工具で分解し、冷却液を大量に抜く構造では運用性が低下します。
そこで、
簡単に着脱できる
切り離した際に漏れにくい
圧力損失が小さい
繰り返し着脱できる
流体と材料が適合する
といった性能が必要になります。
OCPではUniversal Quick Disconnectの仕様整備が進められ、2026年にはUQD V2.0などが公開されています。
アンフェノールジャパンもOCP仕様に準拠したUQDを公開しており、ステンレス部材やEPDMシールなどの仕様を示しています。
QDをさらに分解すると、
精密金属部品
バルブ
スプリング
Oリング
シール材
表面処理
精密組立
耐久試験
リーク試験
という別の市場が見えてきます。
ホース・チューブ・シール
冷却液を運ぶホースやチューブも、液冷化によってサーバーBOMへ入ってきます。
要求されるのは単純な耐水性だけではありません。
冷却液との材料適合性
耐熱性
耐圧性
曲げ性能
低透過性
難燃性
長期耐久性
清浄度
などが関係します。
また液冷システムでは接続点が増えるため、Oリングやガスケットなどのシール部品も重要になります。
冷却液、銅、アルミ、ステンレス、樹脂、ゴムを別々に選ぶのではなく、接液材料全体で腐食や劣化を評価する必要があります。
CDU
CDUはCoolant Distribution Unitです。
サーバー側の冷却ループを循環させ、温度・流量・圧力などを管理しながら施設側へ熱を渡します。
CDUを完成装置として見るだけでは、製造業の商機を見落とします。
内部には、
ポンプ
熱交換器
バルブ
フィルター
センサー
配管
継手
制御基板
電源
筐体
シール
など多数の部品があります。
ニデックは2026年6月、ラック内へ搭載可能で最大300kWの冷却能力を持つIn-Rack CDUのプロトタイプを公表し、2027年第1四半期の量産開始を目標としています。
同社のIn-Row製品では3.2MWクラスも公開されています。
ここから読み取れるのは、CDU市場が単に台数増加するだけでなく、
ラック内
ラック横
複数ラック
という単位で冷却能力と形態が広がっていることです。
ポンプ・熱交換器・バルブ
CDUを分解すると、ポンプは冷却液を循環させ、熱交換器はIT側から施設側へ熱を移し、バルブは流量調整や遮断を担当します。
AIサーバーの高密度化によって必要流量や熱輸送量が増えれば、これらの仕様にも影響します。
ただし、「AIサーバーが増えるからポンプ台数が同じ比率で増える」とは限りません。
CDUの大型化、ポンプ容量、冗長構成、複数ラック共用などによって数量が変わるためです。
営業では台数ではなく、
冷却能力
流量
必要差圧
供給・戻り温度
冷却液
冗長性
を確認する必要があります。
フィルター・センサー・漏液検知
液体を電子機器内部へ持ち込むため、液冷では監視と異物管理が重要になります。
OCPのコールドプレート要求資料でも、CDU、ラック、QD、計算ノードなど複数箇所での漏液検知が検討されています。
圧力や流量の変化を利用した間接検知に加え、漏液センサーや漏液検知ロープを設置する方法もあります。
監視対象としては、
温度
圧力
差圧
流量
液位
漏液
などがあります。
CDUによってはさらにpH、導電率、濁度など冷却液の状態監視を組み込む例もあります。
つまり液冷市場の成長は、機械部品だけでなくセンサー、制御、通信、監視ソフトにも波及します。
冷却液
Direct-to-Chip液冷では「何を流すか」も部品設計に影響します。
OCPでは2026年時点で、
水系冷却液
プロピレングリコール系PG25
二相用誘電性流体
などについて仕様・ガイドラインが整備されています。
冷却液の種類が変われば、
粘度
比熱
腐食
ポンプ負荷
シール材
ホース材
金属材料
フィルター
交換・分析方法
が変わります。
したがって冷却液は単なる消耗品ではありません。
液冷システムの材料設計を決める要素の一つです。
AIサーバー冷却部品の需要変化を整理
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ここまでを部品需要という観点で整理します。
「増える」は市場規模を断定する意味ではなく、高密度AIサーバーがDirect-to-Chip液冷へ移行した場合にBOM上必要性が高まりやすいという意味です。
| 部品 | 方向性 | 理由 |
|---|---|---|
| TIM | 増加・高機能化 | 液冷でも熱界面が残る |
| CPU・GPU用大型ヒートシンク | 減少方向 | 液冷対象ではコールドプレートへ置換 |
| その他ヒートシンク | 残る | 空冷部品が残る構成がある |
| サーバーファン | 減少方向 | 液体へ移す熱量が増えるため |
| コールドプレート | 増加 | 液冷対象部品へ必要 |
| マニフォールド | 増加 | 多数のサーバーへ液を分配 |
| QD | 増加 | 保守性確保に必要 |
| ホース・チューブ | 増加 | 液体輸送経路が追加 |
| シール | 増加 | 接続部の漏れ防止 |
| CDU | 増加 | 冷却液循環・制御 |
| ポンプ | 増加 | CDU・液冷ループに必要 |
| 熱交換器 | 増加 | IT側と施設側の熱交換 |
| フィルター | 増加 | 微細流路の異物対策 |
| センサー | 増加 | 温度・圧力・流量監視 |
| 漏液検知 | 増加 | 液冷固有の運用リスク対策 |
| 冷却液 | 増加 | 熱輸送媒体 |
| 空調設備 | 構成変化 | 空冷負荷減少と液冷設備追加 |
ここから分かるのは、
液冷化とは一つの巨大な冷却装置へ置き換わることではない
という点です。
多数の流体部品・材料・センサーがIT機器側へ入ってくる構造変化と考えた方が分かりやすくなります。
冷却市場の拡大で増える製造工程と設備
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環境・取引先調査・補助金対応資料セット
製造業が注目すべきなのは完成部品だけではありません。
冷却部品を作る工程まで分解すると、新しい営業市場が見つかります。
| 保有技術・設備 | 関係する冷却部品 |
|---|---|
| アルミ・銅材料 | ヒートシンク、コールドプレート、熱交換器 |
| CNC加工 | コールドプレート、マニフォールド、QD部品 |
| ろう付け | コールドプレート、熱交換器 |
| 溶接・FSW | 液冷プレート、マニフォールド |
| 表面処理 | コールドプレート、流体部品 |
| 樹脂・ゴム成形 | ホース、シール、Oリング |
| 精密ばね | QD、バルブ |
| ポンプ製造 | CDU |
| バルブ製造 | CDU、マニフォールド |
| フィルター | CDU、冷却ループ |
| センサー | CDU、ラック、サーバー |
| ディスペンサー | TIM塗布 |
| 打ち抜き加工 | TIMシート・パッド |
| 洗浄装置 | コールドプレート、配管 |
| リーク検査 | コールドプレート、QD、配管 |
| 耐圧・流量試験 | 冷却ループ部品 |
| 制御盤・PLC | CDU |
| 水質分析 | 冷却液管理 |
特に重要なのは、
「AIサーバー向け完成品を作った実績がない」
だけで参入可能性を否定しないことです。
自動車、産業機械、半導体製造装置、空調、油圧、水処理などで既に使っている技術と液冷BOMがつながるケースがあります。
公開情報で確認できる主要企業の動き
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NVIDIA
GPUメーカーとしてだけでなく、ラック全体の電力・冷却構造を見るための重要な基準になります。
GB300 NVL72では高密度液冷ラックを公開しており、さらにVera Rubinでは液冷対象部品が広がっています。
冷却部品メーカーにとって、GPU性能だけではなく「次世代ラックでどこを液冷するか」を追うことが重要です。
ニデック
CDUを展開しています。
2026年には最大300kWのIn-Rack CDUを発表し、In-RowではMWクラスの製品も展開しています。
ポンプ・モーター・制御技術をAIデータセンター液冷へ展開している日本企業の具体例です。
レゾナック
AI向け高性能半導体用TIMの生産能力増強を公表しています。
AI市場の熱問題が、半導体材料メーカーの設備投資へ波及している例として確認できます。
ナミックス
データセンター/サーバー向け高性能半導体パッケージにも使用可能な高熱伝導TIMを公開しています。
単純な熱伝導率だけでなく、低弾性やディスペンス性など実装条件も製品性能になっています。
アンフェノール
Direct Liquid Cooling向けUQDを展開しています。
液冷化によって従来の電子コネクタとは別に、「流体をつなぐコネクタ」がサーバー周辺で重要になることを示す例です。
ここで注意したいのは、これらの企業間に特定の取引関係があるという意味ではないことです。
公開情報から今回の冷却サプライチェーンとの関係を確認できる企業例として整理しています。
自社製品は誰に売るべきか
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液冷市場で「データセンターへ営業する」とだけ考えると、営業先を間違える可能性があります。
部品によって仕様決定者と購買者が違うためです。
| 自社製品 | 主に確認したい営業先 |
|---|---|
| TIM | 半導体・パッケージ関連、サーバーOEM、熱対策メーカー |
| ヒートシンク | サーバーOEM・ODM、熱対策モジュールメーカー |
| コールドプレート加工 | 液冷Tier1、サーバーOEM・ODM、冷却モジュールメーカー |
| QD | サーバー・ラック・マニフォールド・CDUメーカー |
| ホース | 液冷システム、CDU、ラックメーカー |
| シール | QD、バルブ、ポンプ、CDUメーカー |
| ポンプ | CDUメーカー |
| 熱交換器 | CDU・冷却設備メーカー |
| センサー | CDU・ラック・冷却設備メーカー |
| フィルター | CDU・液冷システムメーカー |
| 冷却液 | CDU・サーバー・データセンター設備関連 |
| リーク検査装置 | コールドプレート・QD・CDU製造企業 |
営業では、
誰が使うか
より、
誰が仕様を決めるか
誰が認定するか
誰が発注するか
を分けて調べる必要があります。
例えばQDをデータセンター運営会社へ直接提案するより、サーバー、ラック、マニフォールド、CDUの設計企業へ提案した方が仕様決定に近い場合があります。
今後確認したい6つの指標
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1.どこまで液冷対象になるか
CPU・GPUだけなのか。
ネットワーク、ストレージ、電源周辺まで液冷するのか。
液冷対象の拡大はコールドプレート、ホース、接続部、流量などへ影響します。
2.ラック当たりの電力と冷却能力
ラック密度が高くなるほど冷却設備へ求められる能力が変わります。
単なるGPU出荷台数より重要になる可能性があります。
3.OCP仕様の更新
UQD、冷却液、コールドプレート、漏液検知などの標準化は、サプライヤーの製品開発や認定条件に影響します。
4.CDUの大型化と配置
In-Rackなのか。
In-Rowなのか。
複数ラックを1台で処理するのか。
CDUの構成によってポンプ、熱交換器、配管、センサーの数量・仕様が変わります。
5.冷却液と材料適合性
水系なのか。
PG系なのか。
その他の流体なのか。
液種によって金属、ゴム、樹脂、シール、ポンプまで影響します。
6.既存データセンターをどう液冷化するか
新設データセンターだけが市場ではありません。
既存施設に液冷ラックを追加する場合、施設水の有無や空調設備との併用によってLiquid-to-Liquid、Liquid-to-Airなどの構成が変わります。
新設件数だけではなく、既存設備の改修需要も確認したいところです。
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この記事では、AIサーバーの冷却部品をGPUから施設までの熱経路で整理しました。
実際に営業先や新規事業候補を探す場合は、個別の企業、国内外サプライチェーン、工場、案件、製品仕様まで落とし込む必要があります。
製造業サプライチェーン研究所では、AIデータセンター液冷、電子機器の放熱材料・冷却部品、AIサーバー部品・サプライチェーンなどの法人向け調査レポートをまとめています。
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営業先候補
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まで確認したい場合に利用できます。
FAQ
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AIサーバーが液冷になればヒートシンクはなくなりますか?
すべてなくなるとは限りません。
CPUやGPUがコールドプレートへ移行すると大型ヒートシンクの役割は縮小しますが、空冷される周辺部品が残る構成ではヒートシンクやファンも残ります。
液冷になってもTIMは必要ですか?
必要になる構成があります。
GPU・CPUとコールドプレートの間にも熱界面が存在するため、熱抵抗を抑えるTIMが重要です。
AIサーバー液冷で最も増える部品は何ですか?
一つには決められません。
コールドプレート、QD、ホース、マニフォールド、CDU、ポンプ、熱交換器、センサー、フィルター、シール、冷却液などが一つのシステムとして必要になるためです。
CDUとコールドプレートは何が違いますか?
コールドプレートはGPUやCPUから直接熱を受け取る部品です。
CDUは冷却液を循環・制御し、サーバー側から施設側へ熱を渡す装置です。
QDはなぜAIサーバーで重要なのですか?
液冷配管を素早く着脱しながら、冷却液漏れを抑えるためです。
サーバー交換・保守のしやすさに直接関係します。
日本の中小製造業でも液冷市場へ参入できますか?
完成CDUやサーバーを開発する必要はありません。
銅・アルミ加工、ろう付け、FSW、ホース、シール、精密継手、ポンプ、センサー、フィルター、洗浄、リーク検査など、既存技術から参入できる領域があります。
冷却液は普通の水でよいのでしょうか?
一律には決められません。
使用する冷却方式、温度、接液材料、腐食、凍結条件、微生物対策などを考慮して冷却液を選定する必要があります。
まとめ
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AIサーバーの冷却市場を見るときは、GPUだけでもCDUだけでも不十分です。
重要なのは、
GPU・CPUから施設外まで熱がどこを通るか
液冷対象がどこまで広がるか
その途中に何の部品・材料・製造工程が増えるか
誰が仕様を決め、誰が購入するか
を一つのサプライチェーンとして見ることです。
特に今後注目したいのは、液冷サーバー台数だけではありません。
CPU・GPUからネットワーク、ストレージ、電源周辺へ液冷対象が広がるのかによって、コールドプレート、QD、ホース、マニフォールド、センサーなどの必要量も変わる可能性があります。
自社が参入できるか判断するときは、「AI向け製品を持っているか」ではなく、
現在持っている材料・加工・接合・流体制御・検査技術を、冷却BOMのどこへ入れられるか
から確認する方が現実的です。

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