パワー半導体の放熱材料とは?SiC・GaNで重要になるTIM・セラミック基板・冷却部品

SiCやGaNなどのパワー半導体は、Siデバイスより低損失化・高周波化・小型化しやすい一方で、放熱対策が不要になるわけではありません。

むしろ半導体の性能向上を小型化や高出力密度化に使うほど、チップから冷却器までの熱抵抗、接合信頼性、絶縁性、熱サイクル耐性が重要になります。

パワー半導体の熱対策を見る場合は、TIMやヒートシンクだけを見るのでは不十分です。

半導体チップ
↓
接合材
↓
金属回路
↓
セラミック絶縁基板
↓
TIM
↓
ヒートシンク・コールドプレート

という熱経路全体で考える必要があります。

本記事ではSiC・GaNを起点として、どの放熱材料、部品、加工、製造工程へ需要がつながるのかを整理します。

目次

SiC・GaNになっても放熱が不要にならない理由

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SiCやGaNは、一般にWBG、ワイドバンドギャップ半導体と呼ばれます。

SiCは高耐圧、高温動作、高速スイッチング、低損失といった特徴を持ち、ROHMの技術資料では4H-SiCの熱伝導率を4.9W/cm・K、Siを1.5W/cm・Kとしており、材料そのものの熱伝導性にも優れています。

InfineonもSiC MOSFETについて、Siと比較して熱伝導率が約3倍であることを特性の一つとして説明しています。

しかし、

「SiCは熱に強い」

ことと、

「冷却しなくてよい」

ことは同じではありません。

SiCによって損失を減らした結果、その余力を使って装置を小型化したり、同じ体積からより大きな出力を得たりすれば、単位面積当たりの熱を処理する難易度は高くなります。

三菱電機もSiCパワーモジュールについて、低損失だけではなく内部チップ配置を最適化することで放熱性能を向上させています。

GaNでも同様です。

GaNは高速スイッチングによって電源回路の高周波化、小型化、高電力密度化を進めやすい技術です。

Infineonは現在60Vから700VまでのGaNトランジスタを展開し、トップサイド、ボトムサイド、両面冷却に対応するパッケージを用意しています。

したがって今後重要なのは、

半導体の発熱量だけ

ではなく、

どれだけ小さい面積から熱を取り出さなければならないか

という視点です。

パワー半導体の熱はどこを通って逃げるのか

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SiCパワーモジュールを単純化すると、熱は次のように移動します。

SiCチップ
↓
ダイアタッチ材
↓
銅回路
↓
セラミック絶縁基板
↓
銅・ベースプレート
↓
TIM
↓
冷却器
↓
空気または冷却液

ここで重要なのは、どれか一つの材料だけ性能を上げても、熱経路全体の抵抗が高ければ効果が限られることです。

例えば非常に高熱伝導なセラミックを採用しても、接合層にボイドが多かったり、TIMが厚かったり、冷却器との接触が悪かったりすれば、システム全体の熱抵抗は下がりません。

したがってパワー半導体の放熱では、

材料の熱伝導率

よりも、

熱が通過する経路全体

を見ることが基本になります。

SiCとGaNでは熱対策の構造が同じとは限らない

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SiCとGaNを「次世代パワー半導体」と一括りにすると、放熱部品の需要を読み違える可能性があります。

SiCではパワーモジュール内部の熱経路が重要

高電圧・大電流用途のSiCでは、複数の半導体チップを搭載したパワーモジュールが使われます。

そこでは、

チップ接合
銅回路
絶縁基板
ベースプレート
TIM
冷却器

という多層構造になります。

EV用インバータでは、SiCと両面冷却を組み合わせる動きもあります。

デンソーは2026年に公開した新型インバーターについて、独自の両面冷却技術とSiCパワー半導体を組み合わせ、従来比で電力損失を約70%低減し、コアモジュールを約30%小型化したとしています。

つまりSiC化で注目したいのは、

セラミック基板
焼結接合
銅回路
両面冷却
冷却器一体化

です。

GaNではパッケージとPCBの熱設計が重要

一方、GaNはディスクリートパッケージやICとしてPCBへ実装される用途も多くあります。

この場合、

GaNデバイス
↓
パッケージ上面
↓
TIM
↓
ヒートスプレッダー

という経路と、

GaNデバイス
↓
パッケージ下面
↓
PCB銅パターン
↓
サーマルビア
↓
基板裏面

という経路を併用できます。

InfineonのGaN向けアプリケーションノートでも、PCBの複数銅層やサーマルビアを利用した放熱と、トップサイドからTIMを介してヒートシンクへ熱を移す方法が示されています。

GaNでは、

厚銅PCB
サーマルビア
トップサイドTIM
薄型ヒートスプレッダー
筐体への熱伝達

といった領域が重要になります。

パワー半導体周辺で使われる放熱材料を整理

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熱経路主な材料・部品主な役割
チップ直下はんだ、Ag焼結材、Cu焼結材チップを固定しながら熱を基板へ伝える
絶縁基板Al2O3、AlN、Si3N4電気絶縁と熱伝導を両立
金属回路Cuなど電流を流しながら熱を拡散
界面グリース、シート、ギャップフィラー、PCM接触面の微細な空隙を埋める
熱拡散Cu、Al、グラファイト等熱を広い面積へ拡散
冷却ヒートシンク、コールドプレート空気または液体へ熱を移す
GaN基板側PCB銅層、サーマルビア基板側へ熱を逃がす

この中で、SiCの性能向上と特に関係が深いのが、

接合材

と

セラミック絶縁基板

です。

SiCで銀焼結材が注目される理由

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従来のパワーモジュールでは、半導体チップの接合に各種はんだが使われてきました。

SiCの高温動作能力や高出力密度を生かそうとすると、チップそのものだけでなく接合部分にも高い耐熱性と放熱性能が必要になります。

そこで候補となるのが銀焼結です。

住友ベークライトは、Ag焼結技術を利用した高熱伝導シンタリングペーストを展開しており、SiC、GaNを含むパワーモジュール用途を示しています。

さらに三井金属は2026年5月、パワーモジュールと放熱部材の大面積接合を想定した銅焼結材料を開発したと発表しています。

同社は背景として、車載パワーモジュールの高出力化によって接合部にも高い熱伝導性と信頼性が求められていることを挙げています。

ここから分かるのは、

SiC需要増加
↓
高出力密度化
↓
接合部の熱負荷・信頼性要求上昇
↓
Ag・Cu焼結などの高性能接合材
↓
印刷・塗布・焼結・接合検査

という需要波及です。

材料メーカーだけを見るのではなく、実装装置や接合評価まで見る必要があります。

セラミック基板はなぜ必要なのか

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パワー半導体周辺では、

熱は逃がしたい

一方で、

高電圧を電気的には絶縁したい

という相反する要求があります。

このためセラミック絶縁基板が重要になります。

代表的な材料は、

Al2O3、アルミナ

AlN、窒化アルミニウム

Si3N4、窒化ケイ素

です。

Al2O3

アルミナは広く使われているセラミックスです。

コスト、加工性、絶縁性などで使いやすい一方、高熱伝導を最優先する用途ではAlNや高熱伝導Si3N4が候補になります。

AlN

AlNは高い熱伝導性が特徴です。

京セラのAlN基板では150W/m・K以上の熱伝導率を持つ製品群があり、製品によって170W/m・K、240W/m・Kクラスも示されています。

MARUWAもAlN基板について170~230W/mKクラスを展開し、MOSFETやIGBTなどのパワーモジュールを用途として挙げています。

Si3N4

Si3N4では、熱伝導性だけでなく機械強度や破壊靭性が重要な特徴です。

デンカはSi3N4製のSNプレートについて、アルミナの約4倍の熱伝導性と、高い破壊靭性・曲げ強度を特徴として示しています。

東芝マテリアルの高熱伝導Si3N4では、代表値として熱伝導率90W/m・K、3点曲げ強度680MPaが公開されています。

したがって単純に、

「熱伝導率が一番高い材料を選べばよい」

わけではありません。

項目Al2O3AlNSi3N4
熱伝導標準的高い高い製品がある
絶縁良好良好良好
機械強度・靭性標準用途による強みがある
熱サイクル用途条件次第条件次第有力
主な判断軸コストとのバランス高熱伝導熱伝導と強度・信頼性の両立

実際の選定では製品グレード、厚み、銅厚、接合方法、使用温度、熱サイクル条件を含めて比較する必要があります。

AMB・DCBは「セラミック板」だけの市場ではない

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セラミック基板に銅回路を形成してパワーモジュールへ使う場合、DCBやAMBといった構造が使われます。

日本ガイシは、パワーモジュール向けAMB・DCB基板について、半導体で発生した熱を冷却器へ伝える役割を持つと説明しています。

同社は特にSi3N4を使用したAMB基板について、SiCパワー半導体への採用が増えていると説明しています。

2025年には、Si3N4と銅板の間の接合層を数µm以下まで薄くすることで、熱抵抗と内部ひずみを抑える技術も紹介しています。

この市場を見る場合、

Si3N4粉末

だけではありません。

セラミック焼成
研削・加工
銅板
メタライズ
ろう材
接合
エッチング
めっき
検査

までサプライチェーンが広がります。

TIMは熱伝導率だけを比較してはいけない

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TIMはThermal Interface Materialの略で、部品同士の界面にある微細な凹凸を埋め、接触熱抵抗を下げる材料です。

代表例には、

サーマルグリース
放熱シート
ギャップフィラー
PCM
熱伝導接着材

などがあります。

信越化学工業はパワートランジスタやパワーモジュール向けの熱伝導シリコーンゴムを展開しています。

デンカも高熱伝導性と電気絶縁性を組み合わせた放熱シートを、パワーモジュールや電源用途へ展開しています。

TIMでは熱伝導率W/mKだけを横並びにするのは危険です。

実際の熱抵抗には、

材料の熱伝導率
Bond Line Thickness
接触面積
表面粗さ
圧縮率
接触圧
硬度
ボイド
経年変化

などが影響します。

同じ熱伝導率でも、薄く均一に接触できる材料と厚い材料では、実装時の熱抵抗が同じとは限りません。

SiC化するとTIM需要は必ず増えるのか

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ここは営業上、特に注意したいポイントです。

SiCパワー半導体市場が拡大するからといって、

SiC数量増加
=
従来型TIM使用量の比例増加

とは限りません。

理由は、冷却構造そのものが変わるためです。

例えば日本発条は、冷却器と基板を一体化することで、はんだや放熱シートを減らして熱抵抗を低下させる開発品を公開しています。

CeramTecとFraunhofer IISBも、SiCチップをAlN製セラミッククーラーへ直接実装する構造を開発しています。

同社は従来構造と比較して界面数を減らし、試験では熱抵抗を半減できたとしています。

つまり、

SiC高性能化
↓
従来の多層構造を見直す
↓
界面を減らす
↓
一部TIMやベースプレートを省く
↓
高機能セラミックスや直接冷却が増える

という変化も起こり得ます。

市場を見るときは「何個増えるか」だけでなく、

一つのモジュール内部で何が置き換わるか

を確認する必要があります。

GaNではトップサイド冷却が重要になる

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GaNでは別の変化があります。

GaNは高周波スイッチングによって電源を小型化できますが、パッケージも小さくなるため、限られた面積から熱を逃がす必要があります。

InfineonのGaNパッケージではトップサイド、ボトムサイド、両面冷却に対応する製品が展開されています。

同社の技術資料では、

PCB銅層

サーマルビア

トップサイドTIM

ヒートシンク

を組み合わせた熱経路が説明されています。

ルネサスも2025年に650V GaN製品をAIサーバー、EV充電、UPS、蓄電、太陽光インバータ向けとして量産開始しており、放熱性を考慮したTOLTなど複数パッケージを展開しています。

GaN関連では、

セラミックパワーモジュールだけを見る

のではなく、

PCB
厚銅
ビア
TIM
ヒートスプレッダー
筐体
トップサイド冷却

を見ることが重要です。

放熱材料市場を製造工程まで分解する

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パワー半導体市場の拡大から営業機会を考える場合は、材料名を並べるだけでは不十分です。

技術変化必要になる材料・部品関係する工程・設備
SiC高出力化Si3N4、AlN、銅焼成、加工、メタライズ、接合
高温対応Ag・Cu焼結材印刷、ディスペンス、焼結
両面冷却金属・絶縁材・TIM精密加工、接合、平坦度管理
直接冷却セラミック・Cu・Al流路加工、接合、リーク検査
GaN高密度化厚銅PCB・TIM基板加工、ビア形成、実装
TIM高性能化シリコーン、フィラー等混練、塗布、ディスペンス
熱評価高度化評価用治具・センサー熱抵抗測定、解析

例えばヤマト科学は、SiCヒーターチップを使用してパワー半導体用セラミック基板、TIM、焼結材などの熱抵抗を評価する装置を展開しています。

つまり放熱材料の高度化は、

材料メーカー

だけではなく、

塗布
焼結
接合
加工
熱評価
信頼性試験

へも需要が波及する可能性があります。

パワー半導体放熱に関係する企業例

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以下は公開情報から今回のテーマとの関係が確認できる企業例です。

特定企業間の取引関係を示すものではありません。

パワー半導体

三菱電機はSiCパワーモジュールを展開しています。

ROHMはSiCデバイス、モジュールからパッケージ技術まで展開しています。

InfineonはSiCに加え、トップ・ボトム・両面冷却対応GaNを展開しています。

ルネサスはAIサーバーや電源向け650V GaN製品を量産しています。

セラミック・回路基板

デンカはSi3N4基板を展開しています。

日本ガイシはSi3N4 AMB基板とDCB基板を展開しています。

京セラはAlN、Al2O3、Si3N4などのセラミック技術を展開しています。

MARUWAは高熱伝導AlN基板をパワーモジュール向けに展開しています。

東芝マテリアルは高熱伝導Si3N4を展開しています。

TIM・接合

信越化学工業はパワーモジュール向けTIMを展開しています。

新光電気工業はCNTを利用したTIMの製品化を進めています。

住友ベークライトはSiC・GaNを用途とする焼結ペーストを展開しています。

三井金属はパワーモジュール放熱部材向けのCu焼結材料を開発しています。

企業を見るときは、

「放熱会社」

という括りだけで探すより、

接合
絶縁
熱拡散
冷却
評価

という機能ごとに分ける方が営業先候補を見つけやすくなります。

営業・調達では何を確認すればよいか

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パワー半導体向け放熱部品を提案・調達する場合、最初に確認したいのは熱伝導率ではありません。

まず、

どの熱経路を改善する部品なのか

を特定します。

例えばTIMなら、

発熱体
界面
冷却器

のうち界面を改善する材料です。

セラミック基板なら、

絶縁しながらチップ側からベース側へ熱を通す材料

になります。

商談では少なくとも、

使用半導体がSi、SiC、GaNのどれか

ディスクリートかモジュールか

片面冷却か両面冷却か

トップサイド冷却か

空冷か液冷か

必要な絶縁耐圧

許容ジャンクション温度

要求熱抵抗

熱サイクル条件

接触面積・厚み・平坦度

量産時の塗布・実装方法

まで確認した方がよいでしょう。

ここまで分からなければ、

「熱伝導率10W/mKの材料があります」

だけで採用可否を判断することは困難です。

今後需要を見るなら「材料使用量」より構造変化を見る

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2027年以降のパワー半導体放熱市場を見る場合、注目したいのは市場規模の数字だけではありません。

特に確認したいのは、

SiCのモジュール構造

Si3N4 AMB採用

Ag・Cu焼結

片面から両面冷却への変化

冷却器一体化

トップサイド冷却GaN

PCB側熱設計

です。

日本ガイシはパワーモジュール用AMB・DCB基板の能力を2026年度までに約2.5倍へ拡大する計画を示しています。

これはSiC需要の伸びが、ウェハや半導体製造設備だけではなく、

絶縁回路基板

という周辺材料にも波及している一例です。

ただし、すべての放熱部品が比例して増えるわけではありません。

界面削減、一体化、両面冷却が進めば、

減る部品

性能要求が上がる部品

新しく必要になる部品

が分かれます。

ここを区別することが重要です。

パワー半導体放熱市場で営業機会を探す方法

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自社がこの市場へ参入できるか検討する場合は、自社製品から考えるより、

熱経路のどこを改善できるか

から考える方法があります。

材料企業なら、

絶縁
接合
熱伝導
封止
TIM

です。

金属加工会社なら、

ヒートスプレッダー
冷却プレート
流路加工
精密平坦加工

が候補になります。

設備会社なら、

塗布
焼結
接合
洗浄
リーク検査
熱抵抗測定

があります。

基板企業なら、

厚銅
サーマルビア
メタライズ
AMB・DCB周辺工程

があります。

つまり、

SiC・GaN市場へ参入する

のではなく、

SiC・GaNによって変化する熱経路の一工程へ参入する

と考える方が、自社技術との接点を見つけやすくなります。

さらに企業・市場・営業先まで調べる場合

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本記事では、パワー半導体の熱経路と主要な放熱材料を中心に整理しました。

一方、実際に新規事業や営業先開拓を行う場合は、

TIMメーカー
放熱部品メーカー
冷却部品メーカー
国内案件
市場データ
営業候補
RFQ確認項目

まで一覧化した方が調査を進めやすくなります。

製造業サプライチェーン研究所では、

「電子機器の放熱材料・冷却部品市場2027-2030」

として、AIデータセンター、EV、パワー半導体を横断し、TIM、ヒートシンク、グラファイト、液冷などをPDF147ページ+Excelで整理しています。

記事よりさらに営業・市場調査へ踏み込みたい場合の参考資料です。

FAQ

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SiCは熱に強いのに放熱材料が必要なのですか?

必要です。

SiC自体はSiより高温動作や高熱伝導に適していますが、高性能化によってモジュールを小型化・高出力密度化できるため、チップから冷却器までの熱経路設計は引き続き重要です。

SiCパワーモジュールで特に重要な放熱材料は何ですか?

用途によって異なりますが、接合材、セラミック絶縁基板、銅回路、TIM、ヒートスプレッダー、冷却器が重要です。

特にSi3N4やAlNなどのセラミック基板と、Ag・Cu焼結などの接合技術は注目すべき領域です。

AlNとSi3N4ではどちらが優れていますか?

一律には決められません。

AlNは非常に高い熱伝導率を持つ製品がありますが、Si3N4には高い機械強度や破壊靭性という特徴があります。

実際には熱伝導率だけでなく熱サイクル、銅厚、基板厚、信頼性などを含めて選定します。

SiCが増えるとTIM市場も同じ割合で伸びますか?

必ずしもそうではありません。

SiC採用が増えても、両面冷却や直接冷却、冷却器一体構造によって従来のTIM界面が減るケースがあります。

数量ではなくモジュール構造を見る必要があります。

GaNとSiCでは放熱方法が違いますか?

用途やパッケージによって大きく異なります。

GaNではトップサイド冷却やPCB銅層、サーマルビアを利用した熱設計が重要になる製品があります。

一方、高出力SiCモジュールではセラミック絶縁基板、焼結接合、冷却器などを含むモジュール全体の熱設計が重要になります。

放熱材料の選定では熱伝導率を最優先すればよいですか?

熱伝導率だけでは不十分です。

厚み、接触熱抵抗、絶縁性、圧縮特性、機械強度、熱サイクル、長期信頼性まで含めて評価する必要があります。

材料メーカー以外にもパワー半導体放熱市場へ参入できますか?

可能性があります。

精密切削、銅・アルミ加工、接合、ろう付け、ディスペンス、焼結設備、リーク検査、熱特性評価など、多くの製造工程が関係します。

まとめ

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SiC・GaNの普及によって、パワー半導体の発熱問題がなくなるわけではありません。

むしろ小型化、高出力密度化、高周波化によって、チップから冷却器までの熱経路設計の重要性は高まります。

特に確認したいのは、

SiCではセラミック絶縁基板、焼結接合、両面冷却、冷却器一体化。

GaNではトップサイド冷却、PCB銅層、サーマルビア、TIM。

という違いです。

そして市場を見るときは、

パワー半導体市場が伸びる
↓
すべての放熱材料が増える

と考えるのではなく、

パッケージ構造がどう変わるか
↓
どの界面が残るか
↓
どの材料が高性能化するか
↓
どの製造工程が増えるか

まで確認する必要があります。

自社で最初に確認すべきなのは、

「SiC・GaN市場に参入できるか」

ではありません。

「自社の材料・加工・設備技術は、パワー半導体のどの熱経路を改善できるのか」

です。

ここまで分解すると、新規営業先や新規事業候補を具体化しやすくなります。

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