チップ抵抗器市場はAIでどこまで伸びる?2027〜2029年をサーバー・電源・EV・産業機器から読む

AIはチップ抵抗器市場を押し上げる可能性があります。

ただし、すべてのチップ抵抗器がAIサーバーの成長率と同じように増えるわけではありません。

2027〜2029年に注目したいのは、AIサーバーの台数増加に加え、大電流化・高電圧化・高精度化によって、シャント、薄膜、高電圧検出、高電力、耐硫化といった高付加価値品の比率が高まることです。

EVと産業機器も需要を支えるため、チップ抵抗器市場を見るときは「何個増えるか」だけでなく、「どの種類の抵抗器へ置き換わるか」を見る必要があります。

目次

AIはチップ抵抗器市場の何を伸ばすのか

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最初に押さえておきたいのは、AIの影響には「数量」と「製品ミックス」の2つがあることです。

AIサーバーが増えれば、基板、電源、通信、メモリなどに搭載される抵抗器の総数も増えます。

しかし、より大きな変化になる可能性があるのが製品ミックスです。

KOAはAIサーバーについて、通常のサーバーの3〜5倍の電力を消費すると説明しています。

その結果、抵抗器にも大電流検出、高電圧検出、超高速通信、耐硫化など、新しい性能要求が生じるとしています。

KOA株式会社

整理すると、AIから抵抗器需要への波及は次のようになります。

市場変化回路で起きること需要が強まりやすい抵抗器
AIサーバー増加基板・電源回路増加厚膜チップ、薄膜チップ
消費電力増加大電流を監視シャント抵抗器
電源高電圧化電圧監視が重要高電圧抵抗器、デバイダー
電力密度上昇発熱・放熱条件厳格化高電力・長辺電極品
高速通信増加精度・小型化要求薄膜・高精度品
データセンター環境長期信頼性要求耐硫化・高信頼性品

したがって、「AIによるチップ抵抗器市場の成長」を市場全体のCAGRだけで測ると、重要な変化を見落とします。

2027〜2029年は、数量成長以上に高付加価値化を確認する必要があります。

市場規模を1つの数字で断定しにくい理由

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チップ抵抗器市場には複数の市場予測がありますが、対象製品の定義が統一されているとは限りません。

一般的な厚膜チップ抵抗器だけなのか。

シャントを含むのか。

抵抗ネットワークを含むのか。

メーカー売上なのか、流通価格なのか。

こうした条件によって市場規模は変わります。

今回調査した専門レポートでも、製品範囲や集計条件によって数字が異なることが確認できます。

そのため本記事では「世界市場は2029年に○○億ドルになる」と一つの数字へ固定せず、公開された最終需要とメーカー情報から需要圧力を判断します。

実際、日本の生産統計を見るだけでも、興味深い変化があります。

JEITAが掲載している経済産業省生産動態統計では、2026年1〜3月の国内チップ抵抗器生産は321億1,362万7千個で、前年同期比2.5%増でした。

一方、金額は156億2,800万円で12.9%増です。JEITA

数量 +2.5%
に対して
金額 +12.9%

となっています。

これだけでAIが原因だと断定することはできません。

為替、材料価格、販売価格、用途構成も影響するからです。

ただし、「数量だけを見ていると市場変化を過小評価する可能性がある」という重要なシグナルにはなります。

AIサーバーでは年間約1,300億個という推計が出てきた

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チップ抵抗器のAI需要について、かなり具体的な数字を公表しているのがKOAです。

同社は2026年4月の決算説明会で、2026年度のAIサーバーラック向けチップ抵抗器需要について、

ラック台数:約35万台/年

チップ抵抗器搭載数:約36万個/台

チップ抵抗器所要数:約1,300億個/年

という前提を示しました。Eir Parts

ここで注意したいのは、この1,300億個が公的統計ではなく、KOAが市場を分析するために置いた推計値だということです。

それでも、抵抗器メーカー自身がAIラックを「数十万個の抵抗器を使うシステム」と捉えている点には大きな意味があります。

2027〜2029年まで単純延長するとどうなるか

KOAは同じ資料で、2024〜2031年のサーバー出荷について、

全サーバー:CAGR 5.6%

AIサーバー:CAGR 18.8%

という市場想定を示しています。Eir Parts

そこで、あくまで感度分析として、

2026年の1,300億個

1ラック当たりの搭載数は変わらない

抵抗器需要もAIサーバー出荷と同じ18.8%で増える

と仮定してみます。

年2026年=100の指数単純試算した抵抗器需要
2026100約1,300億個
2027119約1,544億個
2028141約1,835億個
2029168約2,180億個

これはKOAが公表した2027〜2029年予測ではありません。

本記事による単純な感度計算です。

実際には、AIサーバーの構成、ラック当たりサーバー数、電源方式、抵抗器の集積・統合、回路設計変更などによって搭載数は変わります。

それでも、「現在の搭載点数が大きく減らず、AIサーバーが高い成長を続ける」という条件なら、2029年にAIラック向け抵抗器需要が2,000億個規模を超える可能性まで計算上は見えてきます。

ここが、AIがチップ抵抗器市場に与える数量面の上振れ余地です。

数より重要なのが製品ミックス

ただし、営業や事業計画では「2,000億個」という数字だけを見ない方がよいでしょう。

KOAがAI関連売上として示している製品は、

サーバー本体:厚膜、薄膜、シャント

光トランシーバ:厚膜、シャント

メモリモジュール:厚膜

電源:厚膜、薄膜、シャント

半導体製造装置:モジュール、薄膜、シャント

と用途によって異なります。Eir Parts

つまり、AIが増えてもすべてが高価格な抵抗器になるわけではありません。

標準的な厚膜抵抗器も大量に必要になります。

一方で、電源や電流監視では、単価の高いシャントや薄膜、高電圧品が重要になります。

市場金額を見るなら、

搭載点数
×
平均販売価格

の両方を見る必要があります。

「電源市場」はサーバー市場と二重計上しない

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今回のテーマでは「サーバー、電源、EV、産業機器」を需要先として扱っています。

ただし、電源だけは性格が違います。

電源は独立した最終市場というより、

AIサーバー
↓
PSU・UPS・DC-DC・電力変換
↓
抵抗器

という途中の階層です。

EVにもOBCやDC-DCがあります。

産業機器にもAC-DC電源やインバーターがあります。

そのため、

AIサーバー需要
+
電源需要
+
EV需要
+
産業機器需要

をそのまま足すと、二重計上になる可能性があります。

電源市場を見る目的は、市場規模を足すためではなく、「どの抵抗器の価値が高まるか」を確認することです。

Vishayのサーバー用スイッチング電源のアプリケーション資料では、制御回路にシャント抵抗器と薄膜抵抗器が明示されています。

同社は例えば0.2mΩ〜4mΩのPower Metal Strip抵抗器をサーバー電源用途として提示しています。Vishay

ROHMもAIサーバーマザーボード向けソリューションで、電流検出用のシャント抵抗器を含む電流センシングソリューションを提案しています。ROHM Semiconductor

AIで電源容量が増えるほど、単なる抵抗値設定より、

大電流をどれだけ正確に測れるか

発熱をどれだけ抑えられるか

温度変化による抵抗値変化を抑えられるか

が製品差別化になります。

したがって2027〜2029年は、標準抵抗器の市場規模より、電流検出市場の方がAIとの相関を確認しやすい可能性があります。

EVは2027〜2029年も構造的な需要源

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AIばかりを見ていると、チップ抵抗器市場のもう一つの大きな需要源を見落とします。

それがEVです。

IEAの「Global EV Outlook 2026」では、2025年の世界電気自動車販売は2,000万台を超え、世界新車販売の約4分の1になりました。

2026年は2,300万台、世界販売の28%まで増えると予測されています。IEA

ただしEVについても、

EV台数
×
チップ抵抗器個数

だけで考えるのは危険です。

重要なのは、

BMS

インバーター

OBC

DC-DCコンバーター

電動コンプレッサー

ADAS

各種ECU

など、電子回路がどこまで増えるかです。

特に高電圧・大電流系では、電流検出、高電圧検出、耐パルス、高温信頼性への要求が高くなります。

一方、地域別のEV成長率には大きな差があります。

IEAによれば、2026年は欧州で約20%の販売増が見込まれる一方、中国、米国などでは政策や市場環境による差があります。IEA

したがって、

「世界EV市場が成長する」
↓
「自社の車載チップ抵抗器が同じ割合で成長する」

とは限りません。

顧客の車種、生産地域、採用回路、設計拠点、量産時期まで落とす必要があります。

AIサーバーが2027〜2029年の「高成長エンジン」だとすれば、EVはより長期間にわたる「構造的な需要基盤」と考える方が実務では使いやすいでしょう。

産業機器では半導体製造装置とロボットに注目

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産業機器は範囲が広いため、全体を一括りにすると需要を読み違えます。

2027〜2029年に特に確認したいのは、

半導体製造装置

FA・産業ロボット

サーボ・インバーター

電源・UPS

です。

半導体製造装置はAI需要が間接的に波及する

SEMIは2026年10月13日、世界の300mm前工程ファブ装置投資額が2026年の1,490億ドルから、2029年には2,270億ドルまで増えるとの最新予測を公表しました。

2027〜2029年も2桁成長を続ける見通しです。SEMI

ここにはAI・HPC向けロジックだけでなく、HBMを含むメモリ需要も影響しています。

SEMIは300mmメモリ装置投資について、2026年に520億ドル、2029年には800億ドル近くまで増える見通しも示しています。SEMI

半導体製造装置では、

電源

モーション制御

温度制御

計測

通信

安全回路

など大量の電子回路が必要です。

KOAもAI関連売上の一部として半導体製造装置を挙げ、薄膜チップやシャントなどを対象製品として示しています。Eir Parts

つまりAIは、

AIサーバー
↓
GPU・HBM需要
↓
半導体設備投資
↓
製造装置
↓
抵抗器

という二次波及も起こします。

産業ロボットも緩やかな拡大が見込まれる

IFRは世界の産業用ロボット導入台数について、2026年に65万5,000台、2029年に80万6,000台へ増えると予測しています。IFR International Federation of Robotics

単純計算では、2026〜2029年の年平均成長率は約7.2%です。

AIサーバーほど急激ではありませんが、産業機器市場全体の需要を下支えする材料になります。

2027〜2029年に伸びやすい抵抗器を整理

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ここまでの公開情報から、チップ抵抗器市場を製品別に整理すると次のようになります。

抵抗器2027〜2029年の需要判断主な用途
標準厚膜チップ数量は増えやすいが価格競争も強いサーバー、メモリ、制御基板
シャント・低抵抗強いAI電源、EV、インバーター、半導体設備
精密薄膜強い計測、高速通信、高精度電源
高電圧抵抗器・デバイダー強いHVDC、UPS、EV、電源
高電力・長辺電極強い高密度電源、大電流回路
耐硫化・高信頼性中〜強データセンター、産機、車載
一般低価格品数量増の可能性はあるが収益性には注意汎用電子機器

最も重要なのは、

「チップ抵抗器市場が何%伸びるか」

から、

「どの製品構成比が上がるか」

へ視点を変えることです。

富士経済もAIサーバーでは高付加価値受動部品の需要拡大を指摘する一方、中国メーカー台頭や価格競争を市場リスクとして挙げています。富士経済グループ

標準品と高付加価値品では、2027〜2029年の市場環境が異なる可能性があります。

すでに抵抗器メーカーの業績に需要変化が現れている

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将来予測だけでなく、足元のメーカー業績も確認しておく必要があります。

KOAの2026年度第1四半期は、売上高208.8億円で前年同期比23.9%増でした。

抵抗器売上は前年同期比25.5%増です。Eir Parts

用途別では前年同期比で、

通信 +77.0%

電源 +57.9%

産業機器 +38.1%

自動車 +7.5%

となっています。

同社は、日本・アジアの産業機器、アジアのAI関連機器などが売上増を牽引したと説明しています。Eir Parts

ここから、「自動車よりAI・電源・産機の伸びが強い」という現在の需要構成を確認できます。

もちろん1社だけで世界市場を代表することはできません。

それでも、AI需要が単なる将来期待ではなく、抵抗器メーカーの実売上に入り始めていることを示す材料にはなります。

さらに同社のBBレシオは2026年度第1四半期に1.18まで上昇しました。

受注残高は174億円で、同社によれば2021年度第3四半期以来の高いBB水準です。Eir Parts

2027〜2029年の市場を見るなら、こうした受注指標を継続して確認する価値があります。

どのメーカーが関係するのか

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ここではシェアランキングではなく、公開資料から今回の需要テーマとの関係を確認できる企業を整理します。

企業今回のテーマとの関係
KOAAIラック需要を数量まで推計。厚膜、薄膜、シャント、高電圧、耐硫化を展開
ROHMAIサーバー電源・マザーボード向け電流センシング、シャント抵抗器
VishayサーバーSMPS向けシャント、薄膜、高電圧抵抗器
Panasonic Industry電流検出、高電力、高信頼性、車載向けチップ抵抗器
YAGEO厚膜、薄膜、電流検出など幅広い抵抗器群
Susumu精密薄膜・高精度抵抗器に強みを持つ製品群

これは売上高順位や世界シェア順位ではありません。

取引先選定では、

必要抵抗値

許容差

TCR

定格電力

動作温度

AEC-Q200等の要求

長期供給

生産拠点

変更管理

価格

まで比較する必要があります。

材料・製造能力にはどう波及するか

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チップ抵抗器需要が増えれば、上流材料にも需要が波及します。

富士経済がチップ抵抗器向け材料として調査対象にしているのは、

アルミナ基板

抵抗体用ペースト

一次電極用ペースト

などです。富士経済グループ

ただし、AI需要が増えたから各材料が同じ比率で増えるとは限りません。

厚膜、薄膜、金属系シャントでは材料構成も異なります。

ここでも「チップ抵抗器」という一つの市場から材料需要を直接計算しないことが重要です。

製造能力については、KOAが中国新工場を2025年10月から出荷開始し、マレーシア新工場について2026年10月から出荷開始予定と説明しています。Eir Parts

一方、具体的にどの製造装置メーカーへ、何台の設備を発注したかまでは公開資料から確認できません。

印刷、焼成、トリミング、検査などに設備需要が波及する可能性はありますが、特定設備メーカーの受注まで公開情報なしに断定するべきではありません。

営業担当者はどこを狙うべきか

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AIサーバー市場へ抵抗器を売る場合、データセンター運営会社だけを営業先と考える必要はありません。

むしろ重要なのは「誰が回路と部品を決めるか」です。

狙うべき候補を需要経路で整理すると、

AIサーバー
↓
サーバーOEM・ODM
↓
マザーボード・ネットワーク機器
↓
電源メーカー
↓
EMS・基板実装
↓
部品メーカー

となります。

電流検出品なら電源設計。

薄膜精密品なら計測・通信。

耐硫化品なら長期信頼性設計。

車載品ならBMS・OBC・DC-DC・インバーター。

産業用なら半導体製造装置、サーボ、PLC、電源。

というように、「チップ抵抗器を売っています」ではなく、

「どの回路課題を解決する製品なのか」

から営業先を決めた方が絞り込みやすくなります。

AIサーバーをラック全体から分解した営業先については、既存記事でも詳しく整理しています。AIサーバー1ラックのBOMを分解|GPU以外で日本企業が狙える電源・基板・冷却・受動部品

調達担当者は何を確認すべきか

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需要が強い市場ほど、「価格」だけで仕入先を選ぶリスクが高くなります。

2027〜2029年を見据えるなら、次の項目を確認しておきたいところです。

確認項目理由
メーカーのBBレシオ需給逼迫の初期変化を確認
リードタイム在庫より先に変化することがある
高付加価値品の能力増強標準品能力だけ見ても判断できない
生産国・工場2社購買でも同一地域依存の場合がある
原材料貴金属・電極・基板など価格影響
顧客承認期間代替品があってもすぐ変更できない
PCN・EOL長期採用案件ほど重要
車載・産機認定同じ抵抗値でも代替できない場合がある

KOA自身も2026年度第1四半期に貴金属相場高騰の影響を説明しています。Eir Parts

数量が確保できても、材料価格によって採算が変化する可能性があります。

市場予測が外れるとすれば何が原因か

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2027〜2029年が右肩上がりになるとは限りません。

特に注意したいのは5つです。

第一に、AIデータセンター投資の減速です。

AIサーバー需要が想定を下回れば、サーバー、電源、受動部品の順に影響が波及する可能性があります。

第二に、1台当たり搭載点数の変化です。

回路統合やモジュール化によって、完成品台数が増えても抵抗器点数が同じ割合で増えない可能性があります。

第三に、標準品の価格競争です。

AI向け高付加価値品が伸びても、一般厚膜抵抗器で値下げ競争が続けば、市場金額の成長は抑えられます。

第四にEVの地域差です。

世界平均だけでは各メーカーの車載抵抗器需要を判断できません。

第五に能力増強です。

メーカー各社が同時に設備を増強すれば、需要が伸びても数年後に供給過剰になる可能性があります。

AIサーバー需要が減速した場合の在庫波及については、既存記事で別途整理しています。AIサーバー需要が減速したら最初に在庫が増える部品は何か

2027〜2029年に追うべき7つの指標

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市場予測値を毎年眺めるより、実務では先行指標を追った方が役立ちます。

  1. AIサーバー出荷台数・ラック数
  2. AIサーバー1ラック当たり電力
  3. 抵抗器メーカーの通信・電源・産機売上
  4. BBレシオとリードタイム
  5. JEITAのチップ抵抗器数量と金額
  6. 半導体製造装置投資
  7. EV販売台数と産業ロボット導入台数

特に「数量と金額の差」は重要です。

数量が数%しか伸びていないのに金額が二桁増加している状態が続くなら、価格・材料・製品ミックスのどこで変化が起きているかを確認する必要があります。

2027〜2029年の需要をまとめると

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公開情報を総合すると、現時点では次のように整理できます。

需要領域2027〜2029年の方向主な理由
AIサーバー強い台数増+電力密度上昇
AIサーバー電源非常に強い可能性大電流・高電圧・電流検出
EV中〜強電動化・電装化の長期トレンド
半導体製造装置強いAI・HBM向け設備投資
産業ロボット中世界導入台数の継続成長
一般民生相対的に弱い成熟市場・価格競争
標準低価格抵抗器数量増でも注意中国メーカー・価格競争
高付加価値抵抗器強い可能性シャント、薄膜、高電圧、高信頼性

したがって、

「AIによってチップ抵抗器市場全体が年率18%成長する」

と考えるのは適切ではありません。

一方、

「AI関連用途の一部では、チップ抵抗器市場全体よりかなり速い成長が起こる」

という見方には公開情報による根拠があります。

さらに2027〜2029年の市場・企業・調達条件まで確認したい場合

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この記事では、AIサーバー、電源、EV、産業機器からチップ抵抗器需要を分解しました。

一方、実際の事業計画や調達判断では、

市場規模の複数シナリオ

主要メーカー比較

価格・コスト

材料価格転嫁

代替品評価

在庫

BCP

顧客承認

まで確認する必要があります。

「世界のチップ抵抗器市場 2027-2029」では、公開情報をもとに131ページ、図解・グラフ72点、実務計算例16件で整理しています。市場規模を1つの数字に固定せず、2027〜2029年の判断材料として構成しています。note(ノート)

世界のチップ抵抗器市場 2027-2029|市場規模・主要企業・AI・EV・価格・調達判断まで分析

FAQ

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AIサーバー1ラックには本当に36万個のチップ抵抗器が使われるのですか?

KOAが2026年度の市場推計に使用している前提値です。

すべてのAIサーバーラックで同じ36万個になるわけではなく、構成や世代によって変化すると考えるべきです。Eir Parts

2029年にはAIサーバー向けチップ抵抗器が2,000億個を超えますか?

可能性を示す単純試算であり、確定予測ではありません。

KOAの2026年約1,300億個にAIサーバーCAGR18.8%をそのまま適用すると約2,180億個になりますが、搭載点数が一定という仮定を置いています。

AIで一番伸びる抵抗器は何ですか?

公開資料からは、シャント抵抗器、精密薄膜、高電圧検出用、高電力・高信頼性品への需要増が特に注目されます。

標準厚膜品も数量面では大きな市場ですが、価格競争との両方を見る必要があります。

EVとAIではどちらの需要が重要ですか?

短中期の成長率ではAI関連が強い可能性があります。

一方、EVは車両電動化という長期的な需要基盤であり、BMS、OBC、DC-DC、インバーターなど複数回路に需要があります。

AIサーバー向け抵抗器は普通のチップ抵抗器と何が違いますか?

すべてが特殊品ではありません。

一般的な厚膜抵抗器も大量に使われますが、大電流、高電圧、高精度、高電力、耐硫化などが必要な部分では高付加価値品が使われます。

電源市場とAIサーバー市場を足して市場規模を計算できますか?

単純加算は避けた方がよいでしょう。

AIサーバーの中にPSUやDC-DCなどの電源が含まれるため、同じ需要を二重計上する可能性があります。

AI需要が急減した場合、何を最初に見ればよいですか?

抵抗器メーカーの受注、BBレシオ、リードタイム、通信・電源用途売上を確認する方法があります。

完成品出荷統計より早く変化が表れる場合があります。

まとめ

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2027〜2029年のチップ抵抗器市場を見るときに覚えておきたいポイントは4つです。

  • AIはチップ抵抗器の数量だけでなく、高付加価値化を押し上げる可能性がある
  • KOAの推計では2026年度のAIサーバーラック向け需要は約1,300億個/年
  • EV、半導体製造装置、産業ロボットも2027〜2029年の需要を支える
  • 標準品とシャント・薄膜・高電圧・高信頼性品では成長率も収益性も同じではない

次に自社で確認すべきなのは、「チップ抵抗器市場が何%伸びるか」だけではありません。

自社の製品が、

どの顧客の

どの機器の

どの回路に入り

何個使われ

どの仕様が必要で

いつ量産されるのか。

ここまで分解できれば、市場予測を実際の営業計画・調達計画へ変えられます。

THE SUPPLIER / 製造業サプライチェーン研究所

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