
EVの熱対策というと駆動用バッテリーが注目されがちですが、実際にはインバータ、OBC、DC-DCコンバータ、eAxleなどでも放熱・冷却が重要です。
これらにはTIM、放熱シート、ギャップフィラー、放熱基板、ヒートシンク、コールドプレートだけでなく、冷却水、オイル、ポンプ、バルブ、熱交換器、センサーなど多くの材料・部品が関係します。
さらにSiCパワー半導体、小型化、高出力密度化、eAxle一体化が進むことで、単純に「放熱材の使用量が増える」のではなく、必要となる材料や冷却構造そのものが変化しています。
本記事ではEVの熱源を機器別に分解し、どの放熱材料・冷却部品に需要がつながるのか、材料メーカー、加工会社、熱交換器メーカー、設備メーカー、商社にどのような営業機会があるのかを整理します。
EVではバッテリー以外にも熱対策が必要
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EVで温度管理が必要なのは駆動用バッテリーだけではありません。
代表的な発熱源には、インバータ、OBC、DC-DCコンバータ、モーターなどがあります。
デンソーもBEV向け冷却システムについて、バッテリーとモーターインバーターを冷却して適温に保つことが、電費や品質に関係すると説明しています。
EVの電力の流れを簡略化すると、
駆動用バッテリー
↓
インバータ
↓
モーター
という駆動系と、
充電口
↓
OBC
↓
駆動用バッテリー
という充電系があります。
さらに高電圧バッテリーの電圧を低電圧系へ変換するDC-DCコンバータがあります。
それぞれ内部で電力変換や機械損失が発生するため、その損失の一部が熱になります。
EVの熱対策は「熱を出さない」「熱を広げる」「熱を接触面から逃がす」「冷却媒体へ移す」「車外へ放出する」という複数段階で考える必要があります。
EVの放熱材料・冷却部品を全体像で整理
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EVの熱対策は、一つの部品だけで成立しているわけではありません。
発熱体から外気までを一つの熱経路として見ると理解しやすくなります。
| 段階 | 主な製品・材料 |
|---|---|
| 発熱を減らす | SiCなどの高効率パワー半導体、低損失回路 |
| 熱を基板・モジュールへ伝える | はんだ、焼結材、封止材、セラミック基板 |
| 接触界面の熱抵抗を下げる | TIM、グリース、シート、ギャップフィラー |
| 熱を拡散する | 銅・アルミ部材、ヒートスプレッダー、ヒートシンク |
| 冷却媒体へ熱を移す | コールドプレート、ウォータージャケット、オイルジャケット |
| 冷却媒体を循環させる | 電動ポンプ、配管、ホース、バルブ |
| 熱を別回路へ移す | オイルクーラ、チラー、熱交換器 |
| 車外へ放出する | ラジエータ、ファン |
つまりTIMメーカーだけを見るのではなく、
材料
↓
パワーモジュール
↓
冷却プレート
↓
ポンプ・バルブ
↓
熱交換器
まで一つの市場として見る必要があります。
富士経済は2025年10月に、自動車向け放熱部材の世界市場を2035年に3,330億円と予測しました。
これは2024年比86.7%増という予測で、対象には駆動用電池、インバータ、ECU向けなどが含まれます。
同社はインバータについて、高出力化に伴う高熱伝導率品の需要にも注目しています。
これはあくまで市場予測ですが、EV熱対策がバッテリーだけの市場ではないことを示す材料にはなります。
インバータではパワー半導体から冷却水まで熱経路を見る
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EVの放熱市場を見るうえで、特に重要なのがインバータです。
インバータは駆動用バッテリーの直流電力をモーター駆動に適した交流へ変換します。
このスイッチングを担うパワー半導体で損失が発生し、その熱を効率よく外部へ逃がす必要があります。
一般的な熱経路を概念的に示すと、
パワー半導体チップ
↓
接合材
↓
絶縁・放熱基板
↓
モジュール
↓
TIM
↓
冷却器
↓
冷却水
となります。
ただし、すべてのインバータが同じ構造ではありません。
片面冷却、両面冷却、冷却器一体型、直接冷却などによって、TIMの位置、基板構造、金属部材、冷却器の設計は変わります。
SiC化しても冷却技術は重要
SiCパワー半導体はSiと比較して電力損失を低減できるため、EVの高効率化に有利です。
デンソーは2026年に展示した新型インバータについて、SiCパワー半導体と両面冷却技術を組み合わせ、従来比で電力損失を約70%低減し、コアモジュールを約30%小型化したと発表しています。
ここで重要なのは、
「SiCで発熱が減るから冷却市場が縮小する」
と単純には判断できないことです。
損失を減らせれば、同じ熱条件の中でインバータをさらに小型化したり、出力密度を高めたりする余地が生まれます。
実際にデンソー、アイシン、BluE Nexusが共同開発したTOYOTA新型bZ4X向けeAxleでは、SiCと平置き両面冷却構造を組み合わせて出力密度と効率を高めています。
したがってSiC化によって起きるのは「冷却が不要になる」ことではなく、
半導体損失低減
↓
小型化・高出力密度化
↓
冷却構造の高度化
という変化と考える方が実務的です。
インバータ周辺で営業対象になり得るもの
インバータ周辺では次のような製品群が関係します。
| 分野 | 製品例 |
|---|---|
| 半導体 | SiC MOSFET、IGBT |
| 基板 | セラミック基板、金属ベース基板 |
| 接合 | はんだ、焼結材 |
| 封止 | 高熱伝導封止材 |
| TIM | グリース、シート、ギャップフィラー |
| 金属 | 銅、アルミ、ヒートスプレッダー |
| 冷却 | ヒートシンク、コールドプレート |
| 流体系 | 冷却液、ポンプ、バルブ、配管 |
| 検査 | X線、リーク、熱抵抗、流量・圧力検査 |
島津製作所は、インバータなどの発熱部品と放熱部品の間でTIMが使われることや、接合部・TIM内部のボイドが熱性能に影響するためX線CTでの観察・定量化が利用できると説明しています。
つまり放熱市場が拡大するとき、材料だけでなく検査装置にも需要が波及する可能性があります。
OBC・DC-DCではトップサイド冷却と筐体放熱が重要になる
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OBCはOn-Board Chargerの略で、外部から受け取った交流電力を駆動用バッテリーへ充電できる直流へ変換する装置です。
DC-DCコンバータは、EVの高電圧系から12Vや48Vなど別電圧系へ電力を変換します。
両者ともパワー半導体、インダクタ、トランスなどを搭載する電力変換装置であり、小型化と高出力化が進むほど熱設計が重要になります。
Infineonは車載OBC・高電圧DC-DCコンバータ向けにトップサイド冷却対応MOSFETを展開しており、トップサイド冷却が高い電力密度に寄与すると説明しています。
トップサイド冷却では、半導体パッケージ上面から冷却器側へ熱を逃がすため、
パッケージ高さ
平坦度
TIM厚み
圧縮量
接触圧
筐体寸法精度
などの組み合わせが熱性能を左右します。
これは材料メーカーだけで完結する問題ではありません。
TIM、PCB、金属筐体、冷却器、組立工程を一つのシステムとして設計する必要があります。
デンカは放熱シートの用途として、インバータだけでなく車載充電器OBC、DC-DCコンバータ、電動コンプレッサーなどを明示しています。
同社製品では熱伝導性だけでなく電気絶縁性も製品特性として示されています。
高電圧機器では、
「熱は通したいが、電気は通したくない」
という要求があります。
そのため営業時に熱伝導率だけを提示しても不十分です。
絶縁耐圧、厚さ、硬度、圧縮特性、長期信頼性などを同時に確認する必要があります。
eAxleではインバータ・モーター・ギアの熱を一体で考える
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eAxleはモーター、インバータ、ギアなどを一体化した電動駆動ユニットです。
アイシンもeAxleを「モーター・インバーター・ギアをひとつにまとめた装置」と説明しています。
一体化によって部品点数、スペース、重量などを最適化しやすくなる一方、熱設計では複数の発熱源を近い空間で処理する必要があります。
ここで重要になるのがオイルです。
モーターやギアには潤滑が必要で、構造によってはそのオイルを冷却にも利用できます。
BoschはeAxle向け油冷モジュールについて、
ポンプ
フィルター
バルブ
制御ユニット
熱交換器
センサー
などを一つのモジュールに統合できるとしています。
したがってeAxle市場を見る場合、
「モーターが増えるからモーター部品が増える」
だけでは不十分です。
モーター・ギア
↓
オイル
↓
ポンプ
↓
フィルター
↓
バルブ
↓
熱交換器
↓
冷却水
という別のサプライチェーンが形成されます。
EV化は電子部品メーカーだけでなく、流体機器、フィルター、シール、熱交換、配管、センサー企業にも関係する市場です。
EVで需要が広がる放熱材料
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TIM
TIMはThermal Interface Materialの略で、二つの固体表面の微細な隙間を埋め、接触熱抵抗を下げる材料です。
固体同士を接触させても表面には微細な凹凸があり、そのままでは空気層が残ります。
空気は熱を伝えにくいため、TIMでこの隙間を埋めます。
代表的なTIMには、
放熱グリース
放熱シート
放熱パッド
液状ギャップフィラー
熱伝導接着剤
などがあります。
パナソニックも、発熱部品とヒートシンクの接合面に隙間があると接触熱抵抗が高くなるため、TIMで隙間を埋めることが有効だと説明しています。
放熱シート
シートは厚み管理やハンドリングがしやすく、電気絶縁性を持つ製品もあります。
一方、十分な密着を確保するためには圧力や平坦度の管理が重要になります。
信越化学工業は高電圧化が進む電動車部品向けに、耐電圧特性と熱伝導性を持つ放熱用シリコーンゴムシートを開発しています。
ギャップフィラー
ギャップフィラーは液状で供給し、組立時に隙間へ追従させるTIMです。
複雑な凹凸や部品高さのばらつきに対応しやすく、自動ディスペンスとの相性がよいことが特徴です。
Henkelは液状ギャップフィラーについて、複雑な形状や多段面へ追従でき、大量生産で自動塗布しやすい点を特徴として挙げています。
富士経済も、TIM・封止材では放熱ギャップフィラー市場が大きく、製造自動化を背景にシートから切り替わるケースがあるとしています。
この変化は材料市場だけではありません。
ギャップフィラーが増えれば、
材料供給
↓
計量・混合
↓
ディスペンス
↓
塗布検査
↓
硬化・組立
といった製造工程も関係します。
したがってディスペンサー、計量混合装置、画像検査などの設備企業にも商機が波及する可能性があります。
放熱基板・絶縁材料
パワー半導体では、熱を逃がしながら高電圧を絶縁する必要があります。
そこで窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどを用いたセラミック基板や、高熱伝導絶縁材料が重要になります。
富士経済はxEVの高出力化・小型化を背景に、絶縁性と信頼性を持つ窒化ケイ素ベース回路基板の採用拡大を指摘しています。
ここでも、
高い熱伝導率
だけではなく、
絶縁
機械強度
熱サイクル
接合信頼性
とのバランスが重要になります。
EVで需要が広がる冷却部品
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放熱材料で熱を冷却器まで運んでも、そこで熱が止まってしまえば意味がありません。
冷却系では、
冷却プレート
ヒートシンク
ラジエータ
チラー
熱交換器
電動ウォーターポンプ
オイルポンプ
流量制御バルブ
ホース・配管
温度センサー
流量センサー
などが関係します。
BoschはEVの熱マネジメントについて、冷媒回路と冷却水回路を組み合わせ、eAxleやバッテリーなどから熱を輸送するシステムを公開しています。
デンソーもBEV用冷却システムとしてラジエータ、電動ファン、リザーブタンク、EV用5方流量制御弁などを展開しています。
このためEVの冷却市場を調べる際は、ヒートシンクやコールドプレートだけを見るのではなく、
発熱体
↓
冷却プレート
↓
冷却水・オイル
↓
ポンプ
↓
バルブ
↓
熱交換器
↓
ラジエータ
まで追う必要があります。
SiC化すると放熱部品は減るのか
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答えは「一部の熱負荷は低下しても、冷却市場全体が単純に縮小するとは限らない」です。
SiCによって半導体損失が減れば、同一出力条件では発熱低減につながります。
一方でメーカーはその余力を、
インバータの小型化
出力密度向上
eAxle一体化
高性能化
に使うことができます。
BoschもSiC対応のインバータ用パワーモジュールと銅・アルミ冷却器を組み合わせた製品構成を示しています。
このため今後の需要を読む際には、
「EV販売台数×TIM使用量」
だけで推計するのではなく、
どの冷却構造へ変わるか
を見る必要があります。
例えば両面直接冷却が増えれば、従来型TIMの場所や量は変わる可能性があります。
その一方で、
高精度冷却器
薄肉金属部品
銅・アルミ材料
ろう付け・溶接
流路加工
リーク検査
熱抵抗評価
などの重要性が高まる可能性があります。
これがEV放熱市場を見るうえで重要なポイントです。
EV熱対策に関係するメーカー例
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以下は取引関係を示すものではありません。
各社が公式に公開している製品・技術から、EV熱対策との関係を確認した例です。
| 企業 | 公開情報で確認できる領域 |
|---|---|
| デンソー | SiCインバータ、両面冷却、BEV冷却システム |
| アイシン | eAxle |
| Bosch | eAxle、油冷モジュール、ポンプ、熱交換器、インバータ冷却器 |
| Infineon | OBC・DC-DC向けトップサイド冷却半導体 |
| デンカ | 放熱シート、放熱スペーサー、車載向け放熱材料 |
| 信越化学工業 | 電動車向け放熱シリコーンゴムシート |
| Henkel | e-Mobility向けギャップフィラー、TIM、熱伝導接着剤 |
| ティラド | モビリティ向け熱交換器、EV時代の熱交換需要 |
デンカは放熱スペーサーについてLiB、ECU、インバータなどを用途に挙げ、放熱シートではインバータ、OBC、DC-DCなどを用途として公開しています。
HenkelもOBC、インバータ、DC-DCにTIM、ポッティング材、シーラントなどを提案しています。
ティラドは現在、EVやハイブリッドなどパワートレインの多様化を成長機会として位置づけ、熱交換器事業を展開しています。
企業一覧を見る目的は「この会社へ売ればよい」と決めることではありません。
重要なのは各社がどの階層にいるかを見ることです。
材料
↓
パワー半導体
↓
モジュール
↓
インバータ・OBC
↓
eAxle
↓
熱マネジメントシステム
↓
完成車
のどこで仕様が決まるかによって、営業先は変わります。
市場拡大が材料・加工・設備需要へどう波及するか
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EV熱対策市場の特徴は、一つの完成部品の需要が複数の製造業へ波及することです。
例えばコールドプレートを考えると、
アルミ・銅材料
↓
切削・プレス・ダイカスト
↓
流路形成
↓
接合
↓
洗浄
↓
リーク検査
↓
流量・圧力試験
という工程があります。
TIMであれば、
樹脂
+
アルミナ・窒化ホウ素などの熱伝導フィラー
↓
配合
↓
脱泡
↓
シート・液状材製造
↓
ディスペンス・貼付
↓
組立
↓
熱性能評価
というサプライチェーンがあります。
このためEV放熱市場で営業対象になり得るのは、完成品メーカーだけではありません。
材料メーカー
金属加工会社
樹脂成形会社
ゴムメーカー
接合会社
表面処理会社
設備メーカー
検査装置会社
ポンプメーカー
バルブメーカー
センサーメーカー
商社
まで広がります。
重要なのは「EV向け製品を持っているか」ではなく、
現在持っている技術をEVのどの工程へ接続できるか
を考えることです。
自社製品をEV市場へ売るならどこを見るべきか
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EV熱対策市場へ営業するときに、最初に確認したいのは熱伝導率だけではありません。
1.どの機器に使うのか
インバータなのか。
OBCなのか。
DC-DCなのか。
eAxleなのか。
用途によって温度、電圧、冷却媒体、寿命要求が変わります。
2.どこからどこへ熱を運ぶのか
半導体から筐体なのか。
基板から冷却プレートなのか。
モーターからオイルなのか。
オイルから冷却水なのか。
熱経路が違えば必要な製品も変わります。
3.必要なのは熱伝導率か熱抵抗か
材料単体のW/mKが高くても、厚みが大きかったり接触が悪かったりすればシステム全体の熱抵抗は下がりません。
TIMでは熱伝導率だけでなく、
厚み
接触状態
圧縮
ギャップ
平坦度
を確認する必要があります。
4.絶縁が必要か
高電圧回路では放熱性能だけでなく絶縁性能も必要です。
OBC、DC-DC、インバータでは特に重要な確認項目です。
5.量産工程に入れられるか
良い材料でも、
塗布が遅い
硬化時間が長い
自動化しにくい
清掃が難しい
ばらつきが大きい
場合、量産採用が難しくなることがあります。
ギャップフィラー市場で自動塗布性が注目される理由もここにあります。
6.冷却媒体との相性は確認できているか
eAxleではオイル、冷却系では水・グリコール系などの媒体が使われます。
材料、シール、ホース、金属では化学的な適合性や腐食も確認する必要があります。
7.耐久性を説明できるか
車載用途では短時間の初期性能だけでなく、
温度サイクル
振動
湿熱
経時変化
材料劣化
などを含む長期信頼性が重要です。
つまり営業資料では、
「熱伝導率8W/mKです」
だけではなく、
どの用途で
どの厚みで
どの温度域で
どの絶縁条件で
どの量産方法で
どの耐久条件まで評価したのか
を説明できる方が採用検討につながりやすくなります。
EV熱対策へ新規参入するときの注意点
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EV市場だからといって、既存技術をそのまま車載へ持ち込めるわけではありません。
特に材料や冷却部品では、
品質保証
トレーサビリティ
変更管理
長期供給
量産再現性
顧客固有評価
が重要です。
試作品が一度要求性能を満たすことと、数年間安定して量産供給できることは別の問題です。
そのため新規参入を考える会社は、
技術的に作れるか
だけでなく、
車載量産品として管理できるか
まで確認する必要があります。
また、完成車メーカーだけを営業先と考えないことも重要です。
材料の場合はパワーモジュールメーカーや電子部品メーカー。
加工会社なら冷却器・熱交換器メーカー。
ポンプやバルブならサーマルマネジメントシステムメーカー。
製造設備ならTier1や材料メーカーの製造拠点。
というように、自社の技術が実際に組み込まれる階層を確認した方が営業先を絞りやすくなります。
さらに市場・企業・営業先まで調べたい場合
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EV放熱市場は、TIMだけでもシート、グリース、ギャップフィラー、接着剤などに分かれます。
さらにヒートシンク、コールドプレート、液冷、熱交換器、材料メーカー、加工会社まで含めると対象企業は大きく広がります。
製造業サプライチェーン研究所では、
「電子機器の放熱材料・冷却部品市場2027-2030」
として、PDF147ページ+Excelで市場、技術、企業、国内案件、営業先、新規参入、RFQ確認項目まで整理しています。
無料記事ではEVの熱対策構造を中心に整理しましたが、
どの企業が関連するのか
どの製品を営業できるのか
商談時に何を確認するのか
まで調べたい場合の参考資料として利用できます。
FAQ
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EVで最も放熱対策が重要なのはバッテリーですか?
バッテリーだけではありません。
インバータ、OBC、DC-DC、モーターなども重要な発熱源で、機器ごとに適した冷却方式が異なります。
TIMは熱伝導率が高いほど良いのでしょうか?
必ずしもそうではありません。
実際の熱性能には厚み、接触熱抵抗、硬度、圧縮量、平坦度、絶縁性、耐久性なども影響します。
SiCインバータなら冷却部品は少なくなりますか?
一概には言えません。
SiCで損失を低減できても、その余力を小型化や高出力密度化に使えば、高性能な冷却構造が引き続き必要になります。
OBCにもTIMは使われますか?
使われる可能性があります。
実際に放熱材料メーカーがOBCを用途として掲げており、トップサイド冷却など新しいパッケージ構造でもTIMや冷却器との機械的・熱的な設計が重要です。
eAxleは水冷ですか、油冷ですか?
設計によって異なり、両方が関係する場合があります。
モーター・ギア側をオイルで冷却し、その熱を熱交換器で冷却水側へ移す構成も考えられます。
BoschはeAxle向け油冷モジュールとしてポンプ、フィルター、バルブ、熱交換器、センサーを組み込んだ構成を公開しています。
金属加工会社でもEV放熱市場へ参入できますか?
可能性はあります。
冷却プレート、ヒートシンク、筐体、熱交換器部材などではアルミ・銅加工、接合、洗浄、リーク検査などの工程があります。
ただし車載品質、腐食、異物、漏れ、量産安定性なども必要になるため、「加工できる」だけで採用されるわけではありません。
放熱材料メーカーは完成車メーカーへ直接営業すべきですか?
必ずしもそうではありません。
実際の仕様決定にはTier1、インバータメーカー、パワーモジュールメーカー、eAxleメーカーなどが関係する可能性があります。
自社材料がどの部品へ組み込まれるかを先に確認することが重要です。
今後増えそうなEV冷却部品は何ですか?
一律には言えませんが、高出力密度化やeAxle統合が進む場合、コールドプレート、油冷関連部品、ポンプ、バルブ、熱交換器、温度・流量センサーなどの重要性が高まる可能性があります。
ただし車種・冷却アーキテクチャによって採用品は変わるため、完成車台数だけから数量を推計しない方が安全です。
まとめ
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EVの熱対策では、バッテリーだけでなくインバータ、OBC、DC-DC、eAxleを見る必要があります。
重要なのは次の4点です。
- TIMだけでなく、放熱基板、冷却プレート、ポンプ、バルブ、熱交換器まで熱経路全体を見る。
- SiC化による損失低減と、小型化・高出力密度化を同時に考える。
- eAxleでは水冷だけでなく油冷と油水熱交換のサプライチェーンを見る。
- 熱伝導率だけでなく絶縁、量産性、耐久性、冷却媒体適合性を営業条件に入れる。
自社で最初に確認すべきなのは、
「EV市場で何が売れるか」
ではありません。
自社の材料・加工・部品・設備技術が、
発熱体
↓
TIM
↓
冷却器
↓
流体回路
↓
熱交換器
のどこに入るのかを確認することです。
そこまで分解すると、EV市場の中で狙うべき営業先と、開発すべき製品が見えやすくなります。

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