
結論サマリー
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基板実装・EMS・電子部品の営業、調達、市場調査に使える資料を紹介します。
- 国産ナフサ基準価格は2026年4〜6月期に1キロリットルあたり118,900円となり、前期比1.81倍の過去最高を記録した。
- プライムポリマーは3月17日、ポリエチレンとポリプロピレンを4月1日納入分から1kgあたり90円以上引き上げると発表した。
- 三協化学の10月6日更新では、10〜12月期の国産ナフサ価格は想定98,900円で、7〜9月期の想定96,500円から小幅に上がる。
- 食品では、帝国データバンクが9月30日に、10月の値上げを3,153品目・平均10%と発表した。
- 第一生命経済研究所は、コアCPIが2026年末から2027年初に前年比+3%を窺うと予想している。
ナフサとは — 背景と現状
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ナフサは原油を蒸留して得る石油化学の基礎原料であり、2026年は中東情勢の悪化で国産基準価格が過去最高を更新した。
ナフサはエチレンやプロピレンに分解され、食品包装フィルム、ペットボトル、塗料、接着剤、自動車部品になる。
野村総合研究所によると、日本のナフサ調達は国内4割、ホルムズ海峡経由の輸入4割、その他ルート2割だった。
2026年2月末にホルムズ海峡が事実上封鎖され、日本は調達不安と価格高騰の両方に直面した。
何が起きているか(時系列)
2026年2月末、アジアのナフサ市況は1トン600ドル未満だった。3月末には同1,200ドルを超え、5月前半に日本へ着く分の価格となった(化学工業日報、4月30日)。
三協化学によると、月次のMOPJは5月の1,139.84ドルがピークで、8月の788.32ドルが底だった。
7月21日には東京オープンスペックの終値が1トン839ドルまで戻り、6〜7月上旬の600ドル台半ばから約10日で200ドル近く上がった(化学工業日報)。7月31日には4〜6月期の国産基準価格が118,900円/kLで確定した。
10月9日時点のナフサは926ドル、為替は1ドル158.19円だった(大景化学)。
第1層・第2層: 原料と中間材の動向
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上流の原油とナフサは10月に入って再び上昇し、中間材の価格は高止まりしている。
原料の値動き
ブレント原油先物は10月12日に1バレル約106ドルで取引を終えた(報道)。
LSEGによると、北海ブレントの現物指標は10月5日に一時154ドル台となり、1991年以降の最高値を付けた(日本経済新聞)。ホルムズ海峡では10月にタンカー攻撃が続き、供給不安が再燃している。
中間材への伝播
国産ナフサ基準価格は、1〜3月期の65,700円から4〜6月期の118,900円へ上昇した(化学工業日報)。三協化学の想定では、7〜9月期が96,500円、10〜12月期が98,900円で、いずれも確定値ではない。
7〜9月期の確定は例年の流れなら10月下旬とみられる(当社推測)。
国内ナフサの企業物価は4月に前月比+83.2%となり、6月の企業物価指数は前年比+7.1%だった(第一生命経済研究所)。
石油化学工業協会によると、エチレン設備の実質稼働率は8月に73.5%へ戻ったが、前年同月の80.2%には届かない。
同月は汎用樹脂の国内出荷が前年を下回り、LDPEの在庫率は7月末の3.4か月から8月末の3.7か月へ上昇した。
第3層: 中間製品が直面する圧力
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包装・断熱・自動車部品の各メーカーは原料高を吸収しきれず、価格転嫁と減益リスクが同時に進んでいる。
業界別の中間製品影響
包装では、TOPPANホールディングスが仕入れ値の2〜3割上昇を理由に、4月21日以降の値上げを顧客へ打診した(日本経済新聞)。食品包装フィルムの取引価格は春から約2割上昇し、最高値を付けた(日本経済新聞、6月)。
断熱材では、カネカがポリスチレン系製品を4月1日に4割値上げした。
三菱ケミカルグループはフィルムを4月21日納入分から1連あたり1,200〜2,000円引き上げ、ユニチカも半導体向けポリエステルフィルムを1kgあたり100円以上値上げした(野村総合研究所)。
自動車部品では、デンソーが2027年3月期に450億円、アイシンが150億円の営業利益の下振れ要因を見込む(日刊工業新聞、4月28日)。
第4層: 最終製品への波及(業界別アラート)
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最終製品への波及は食品と日用品で実施済みの段階にあり、住宅設備は供給が戻り、自動車は遅れて影響が出る見通しである。
飲料・調味料 — 実施済
10月の値上げ3,153品目のうち、酒類・飲料が1,399品目、調味料が820品目を占める(帝国データバンク)。値上げ要因は原材料高が91.3%、エネルギーが63.8%、中東情勢が27.8%だった(複数回答)。
ミツカンは家庭用調味料を約7〜26%、キリンビバレッジは飲料を約5〜18%引き上げる(各社発表)。
菓子・パン — 実施済
カルビーはポテトチップスなど75品目を3〜15%値上げする。
7月の全国CPIではパンが前年比+3.1%となり、6月の-1.3%から上昇に転じた(第一生命経済研究所)。
メーカー各社は包装資材費、物流費、人件費の上昇を理由に挙げている。
日用品 — 実施済
ライオンは歯磨き・洗剤などを4〜25%値上げする。7月の家事用消耗品は前年比+6.3%で、6月の+3.7%から加速した。
住宅設備・建材 — 逼迫(解消済)
TOTOは4月13日にユニットバスの新規受注を停止し、6月9日に全面再開した(共同通信)。
受注は戻ったが、断熱材の4割値上げなど価格は高止まりしている。
自動車 — 遅行影響
豊田合成の安田洋副社長とデンソーの松井靖副社長は、ナフサ供給は数か月先まで見通せないと述べた(4月28日)。
完成車の価格改定は、当社の調査では確認できていない。
第5層: 生活影響・マクロへの波及
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ナフサ高は家計負担と金利上昇を通じて、物価の上振れと産業再編の両面に及んでいる。
家計負担の試算
野村総合研究所の木内登英氏は、ナフサ由来品の値上げによる4人家族の年間負担を2万2,500〜3万5,100円と試算した(4月7日、転嫁率45%の仮定)。
夏の電気・ガス支援は9月使用分で終わり、11月請求から負担が戻る。
CPIへの押し上げ効果
8月の全国CPIは総合が前年比+1.9%、生鮮食品を除く総合が+1.7%、生鮮食品とエネルギーを除く総合が+1.9%だった(総務省)。
第一生命経済研究所は、既往のコスト増が川下へ波及し、コアCPIは2026年末から2027年初に+3%を窺うと見ている(8月21日)。
賃金・政策への影響
8月の実質賃金は前年同月比+1.5%で、8か月連続のプラスだった(厚生労働省、10月7日)。春闘の賃上げ率は主要企業で5.18%だった(厚生労働省集計)。
日銀は9月18日に政策金利を1.25%へ引き上げ、31年ぶりの水準となった。産業面では、三菱ケミカル・旭化成・三井化学が水島のエチレン設備を2030年度めどに停止し、大阪へ集約する。
西日本の能力は95万トンから45万トンへ縮む。
よくある質問(FAQ)
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Q: ナフサとは何ですか?
A: 原油を蒸留して得る軽質の石油留分で、エチレンなどに分解され、樹脂・包装・塗料・接着剤の原料になる。
Q: なぜナフサ高騰で食品が値上がりするのですか?
A: 食品包装のフィルムや容器は樹脂製であり、原料のナフサ高が包装資材費として製品価格へ転嫁されるためだ。
Q: ナフサ高騰で家計負担はいくら増えますか?
A: 野村総合研究所は4月時点で、4人家族の年間負担増を2万2,500〜3万5,100円と試算している。
Q: ナフサ高止まりはいつまで続きますか?
A: 10〜12月期の国産基準は想定98,900円で、確定は10月下旬の見込みだ。食品値上げは2027年にかけて断続的に続く見通しである。
Q: 企業はどのような対策を取るべきですか?
A: 国産ナフサ基準価格に連動する価格条項を契約に入れ、在庫と調達先を分散し、転嫁時期を3〜4か月遅れで見積もる(経験則)。
立場別の対策アクション
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調達担当者・購買部門
- 10月下旬の7〜9月期確定値を起点に、見積の有効期間と価格改定条項を見直す。
- 想定値98,900円とスポット926ドルの向きが違う点を、社内資料に明記する。
- 在庫を数か月分確保し、中東以外を含む複数の調達先を確保する。
経営者・経営企画
- 第3層の利益圧迫(デンソー450億円など)を参考に、原料高の感応度を試算する。
- 日銀の1.25%と春闘5.18%を、金利負担と人件費として同時に織り込む。
- エチレン再編を踏まえ、国内調達と輸入品の比率を再設計する。
一般読者・消費者
- 値上げは10月3,153品目、11月は判明分1,469品目で、2027年にかけて断続的に続く。
- 電気・ガス支援の終了で、11月請求から光熱費の負担が増える。
- 洗剤など長期保存品は使い切れる量に限り、プライベートブランドで単価を下げる。
まとめ
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ナフサは上流で3月と5月にピークを越えたが、国産基準価格は10〜12月期も想定98,900円と高い。
包装・食品・日用品への転嫁は秋に実施済みとなり、家計と金利に波及している。
基準価格の確定値と物価統計を確認し、調達と家計の見通しを更新したい。
出典・参考情報
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- 化学工業日報「国産ナフサ価格、過去最高へ 1~3月は横ばい」(2026年4月30日)
- 化学工業日報「国産ナフサ高止まり 7~9月は10万円近傍の様相」(2026年7月)
- 化学工業日報「4~6月の国産ナフサ11・8万円」(2026年7月31日、プラスチックパレット社の整理経由で確認)
- 三協化学「国産ナフサ価格更新」(2026年10月6日)https://www.sankyo-chem.com/news/post-5971/
- 大景化学「ナフサ価格推移表」(2026年10月9日現在)https://www.daikeikagaku.co.jp/naphtha/
- 石油化学工業協会「2026年8月実績概要」(2026年9月17日)
- 日本経済新聞「原油『今すぐ確保』の買いに拍車」(2026年10月11日)
- 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年9月30日、くらしのコンパス経由)
- 第一生命経済研究所「消費者物価指数(全国・2026年7月)」(2026年8月21日)
- 第一生命経済研究所 企業物価レポート(2026年6月分)
- 野村総合研究所 木内登英「ナフサ由来製品の価格上昇と家計負担額の新たな試算」(2026年4月7日)
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和8年8月分結果速報」(2026年10月7日)
- 共同通信「日銀利上げ、1・25%に」(2026年9月18日)
- 共同通信「TOTO、バス受注を全面再開」(2026年6月8日)
- LOGISTICS TODAY「プライムポリマー、ホルムズ影響で値上げ」(2026年3月19日)
- ニュースイッチ(日刊工業新聞)「トヨタG主要部品7社の通期見通し」(2026年4月28日)
- 旭化成・三井化学・三菱ケミカル 西日本エチレン生産体制に関する基本契約締結(2026年1月27日)
- 総務省統計局「消費者物価指数(全国)2026年8月分」(さいたま市公表資料に併記)

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